中央の宝塚記念が芝のグランプリだとすれば、帝王賞は砂のグランプリ。中央・地方それぞれのダート一流馬が上半期の最大目標とするレースだけあって、過去の優勝馬は一流馬ばかり。

過去にはロッキータイガー、ハシルショウグン、ライブリマウントやホクトベガ、そしてダートグレード制となった1997年以降、アブクマポーロ、メイセイオペラ、アドマイヤドン、タイムパラドックス、ボンネビルレコード、フリオーソ、ヴァーミリアン、スマートファルコンなどが優勝。

今年の出走馬は中央所属馬が過去最強の布陣と言っていいほどの超強力メンバー。

ローマンレジェンド（東京大賞典など重賞3勝）
ホッコータルマエ（かしわ記念など重賞5勝）
ニホンピロアワーズ（ジャパンCダートなど重賞5勝）
ワンダーアキュート（JBCクラシックなど重賞4勝）
テスタマッタ（フェブラリーS・ジャパンダートダービーなど）
ハタノヴァンクール（川崎記念・ジャパンダートダービーの重賞2勝）

対する地方馬は

ファーティファイド（大井記念）
トーセンルーチェ（金盃）
スーニ（JBCスプリントなど重賞9勝）

あたりが実績上位ですが、力の差は歴然と言ったところでしょう。

そしてこれだけのハイレベルメンバーということもあって指数Xは大混戦。

1位ローマンレジェンド、2位ハタノヴァンクール、3位ワンダーアキュートまで5pt以内の僅差。4位ニホンピロアワーズ、5位ホッコータルマエ、6位テスタマッタと続き、馬券圏内はこの6頭となります。

記者からのマル秘ネタは以下の通り。

・ローマンレジェンド
かしわ記念はホッコータルマエ、エスポワールシチーに後れを取ったが、約5ヶ月ぶりで仕上げも今ひとつだったことを考えれば上々。「前走はマイル戦で忙しかったし、あまり気にしていない。もともとの目標がこのレース。大井の2000mは実績があるし、追い切りも文句なし」と勝利に向けて自信はかなりのもの。岩田騎手も「乗れなかったジャパンCダートの借りを返したい」と打倒ニホンピロアワーズ、ワンダーアキュート、ホッコータルマエに気合い十分です。

・ホッコータルマエ
現在4連勝と絶好調の同馬。ただこの馬は他の有力馬と違って帝王賞が目標だったわけではなく、出るレースすべてが目標だった経緯がある。つまり4連勝中はそのレースも目一杯仕上げてきた経緯があるので、前走以上の上がり目はほとんどないとか。さらに前走のかしわ記念後の輸送で馬体重がかなり減ってしまい、それを戻すのに手間取った様子。この中間は回復に努めて少し太めの状態。今回も大井までの長距離輸送なので、どんな影響が出るか不安があるとのこと。また前回のナイター競馬の時は、馬が光に反応してイライラしていたようなので、今回もナイターでの落ち着きがカギとなるでしょう。

・ニホンピロアワーズ
鞍上の酒井学騎手は、川崎所属の酒井忍騎手の弟。脚質的に今回外枠に入ったのは多少マイナス。オーナーの意向で酒井騎手を乗せているが「内田博幸騎手だったら確実に勝てるな」という声がトレセンのあちこちでちらほら…酒井騎手は南関東の騎乗経験が川崎で1度しかなく、大井は初めて。当日もメインレース以外に騎乗予定がないので、大井の長い直線をうまく乗れるか、そこがポイントでしょう。さらに酒井騎手が一番のポイントとしてあげているのが馬にとって初のナイター競馬。「まったく未知なので、プラスではないでしょうね」とのこと。当日のパドックで落ち着いていられるか？

・ハタノヴァンクール
昨年、大井のジャパンダートダービーを勝って2000mの適性は十分。中央では重賞未勝利も南関東でJpnIを2勝。前走の平安Sは5着だったがあくまでも狙いはこのレース。「前走は59キロの斤量もあったので仕上げもそれなりで無理をしませんでした。昨年から帝王賞を目標にしていましたから、今回は目一杯仕上げています。4歳でまだまだ伸びしろがありますが、今の仕上がりならこの相手でも勝てると思います」と昆調教師はかなりの強気。確かに先週の坂路の動き・時計はかなりのもので、前走とは雲泥の差の状態。どんなレースになるか楽しみです。


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