先週のチューリップ賞、土曜のアネモネS同様に、桜花賞のトライアルレースとして行われるこのレースは、上位3着までに本番の出走権が与えられる。有力馬の多くが、桜花賞と同じ距離で行われる一週前のチューリップ賞(GIII)を選ぶため、出走馬のレベルはアネモネS以上チューリップ賞以下といった印象。今年の出走馬16頭中、賞金的に桜花賞の出走をほぼ確定させているのはサマリーズ、サウンドリアーナ、サンブルエミューズ、シーブリーズライフの4頭のみ。

指数X1位はシーブリーズライフ。前走のクロッカスSは、牡馬相手に1分21秒7の好時計で快勝。しかも上がり3ハロンは33秒6と優秀な数字だ。翌日の古馬1000万下条件の勝ち時計が1分22秒2だっただけに、その評価はかなりのもの。能力指数はその時計通り1位だが、発揮指数は6位止まり。阪神コースが先行馬有利という傾向はプラスではなく、また鞍上の田中勝春騎手が、阪神芝コースで過去5年間39戦1勝2着ゼロと不甲斐ない数字も響いている。連対率にすると2.6%なので、これは大幅割引せざるを得ない状況だ。

指数X2位はティズトレメンダス。能力指数は2位だが、発揮指数は最下位。芝未勝利ダート2勝という成績だが、デビュー以降3戦連続で単勝1倍台の1番人気に指示されたほどの素質馬。そのダート戦で5戦して上がり3ハロン1位を3回記録しており、能力の高さは歴然。前走も同日の古馬500万条件を上回る好時計で快勝しており、発揮指数が示すとおり芝の適性が鍵となる。

指数X3位はサンブルエミューズ。能力指数5位、発揮指数1位という評価。逃げ・追い込み・先行と自在に見えるが、脚質が安定しないという見方もあり、それが成績の不安定さに繋がっているようだ。アーリントンC(阪神芝1600m・GIII)を勝ったコパノリチャード、阪急杯(阪神芝1400m・GIII)3着のオリービンが同馬と同じダイワメジャー産駒。芝1400mは新潟2歳未勝利戦で5馬身差の圧勝。同日の古馬1000万条件と0.9秒の1分21秒3の好時計で、上がり3ハロン35秒5はメンバー最速。岩田騎手の継続騎乗もプラス(岩田騎手は乗り替わり一戦目より二戦目の方が期待値が高い)で、上位評価となった。

指数X4位はまさかのハイマウンテン。地方デビュー後に中央転厩という経歴。デビュー戦は門別で後続に4馬身差の楽勝。中央転厩後2戦目で2着に好走し、3戦目で中央初勝利。その後紅梅S→エルフィンSに出走。エルフィンSでは勝ち馬から0.2秒差の6着、2着ウインプリメーラからは0.1秒差だった。能力指数4位、発揮指数1位の評価。ここ2走オープンで強豪相手にレベルの高いレースをこなしていること。そして浜中騎手への乗り替わりはプラス評価だ。また枠順・展開シミュレートも有利な数値が出ている。展開次第で大駆けがあっても驚けない。

指数X5位はナンシーシャイン。前走は華麗な逃げ切りだったが、阪神コースの内枠有利・逃げ先行有利という条件は同馬にとって大きなプラス。能力指数も3位の高評価だ。しかし鞍上の大野騎手は過去5年で阪神芝コース17戦して3着2回が最高成績。未勝利、連対率0%は無視できない。ちなみにダート戦を含めても[1.0.2.37]とやはり苦戦。ちなみに先週の阪神も[0.0.0.7]と結果はご覧の通り。これが発揮指数を大幅に下げている要因だ。

なお指数X6位のサウンドリアーナ、7位のメイショウマンボなども上位と差がなく、展開一つでガラリと順位が変わりそうだ。